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「本当に地上に行かれるのですか?」
ベルセビュートの言葉にルシファーは頷く。それを見たベルセビュートは深く溜め息をはいた。
「何だ。第一お前等はどうしてそんな反対なんだ。これは好機だ。もし、転生が本当だとしてソロモンの生まれ変わりを、見つける事ができたなら…真実を知れるかもしれない。」
「……我々はそれを恐れているのですよ。」
「どういうことだ。」
「仮に真実を知れたとして、あなたが深く傷つき壊れてしまうのではないか……と。我々はそれが恐くて堪らない。ルシファー様が大事が故なのです。」
「……それは分かっているが…」
「ですから、あまり無茶はしないでくださいね。」
「……ああ」
「それと、ちゃんと警戒心を持っていてくださいよ?」
「……?あ、あぁ……そうだな。地上とはいえ天界の連中に見つかったら面倒だしな」
「いえそういう意味では…」
ルシファーの全くの的外れな答えにベルセビュートは項垂れた。まあ、そこも可愛いいのですが…と思うベルセビュートは軽く笑う。
「変な奴だな……。ベル、俺はもう寝たい。」
「久々に添い寝でもします?」
「……そうだな。暫く会えなくなるから、……頼んだ。」
「はい。」
ベルセビュートは一瞬驚いた顔をしたが、嬉しさの方が大きく、満面の笑みになってルシファーとベッドに向かった。
「懐かしいですね。こうしてルシファー様の添い寝をする日がくるなんて。」
「今でもたまにするだろ。」
「そうですけど。普段甘えてもくれないじゃないですか。」
「……まあ。」
ベルセビュートの膝に頭を乗せ丸く猫のようにして寝る体制のルシファー。ルシファーの柔らかい髪を撫でながらベルセビュートは微笑む。
それが気持ち良くなってきて、目を閉じたルシファーはいつの間にか眠っていた。
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