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ひとつの白翼とひとつの黒翼の互いの剣がぶつかるたび、大きな波動を生み、あたりを破壊して行った。
「……っ…!」
「どうして…どうしてどうしてどうしてどうしてどうして!!」
「ぐぅっ……!」
「ねぇ、どうして…兄さん!!」
「…ミカ……エル…!!」
「僕はこんなにも兄さんを愛してるのに…まだ足りないの…?兄さんは僕よりもあいつを…選ぶの…?
そんなの…許さない…!」
「よせ…ミカエル!俺は堕天した…!お前と殺り合う気はない…!」
「……なに言ってるの兄さん。そんなの僕から神に頼んであげるよ。兄さんが僕の側に居ないなんて許さない…。」
「…俺は天界には帰らない。あそこにはもうウンザリだ…」
「……じゃあ、今すぐ僕のテリトリーで犯してあげようか…?兄さん…」
そのミカエルの瞳は今までにないくらい狂気に満ちていた。それはルシフェルを手放したくないという欲求と歪んだ愛。
「ミカエル……よせ…」
「兄さん…愛してるんだよ…」
「ルシフェル様!!!!」
その瞬間、もう一つの黒翼がルシフェルの体を掴み下に逃げる。
「お前…!!僕の兄さんから離れろ!!!僕の…僕の、僕のルシフェルに触るな!!ベルゼビュート!!!」
「ベル…すまない……。俺はミカエルと戦って力があまり…」
「分かっています。今は天界から逃げるのが先です。さ、私につかまってください…」
「いやだ、いやだよ!兄さん!」
破壊し尽くされた地上から二つの黒翼は消えた。
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