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「…いい加減その手を離したらどうだ。あと、その気持ち悪い笑みで顔を近付けるな。吐き気がしそうだ。」
ルシファーもといルイの顎を掴んだままの副会長を一睨みする。
「……っくく…面白い、実に面白い…。気に入りましたよ」
「は?」
「ま、今は何もしないであげます。では、理事長室に案内しますよ。」
「さっさとそうしろ」
学園に来て早々変な奴と出くわしたな。迷惑なはなしだ。
そして、ルイは副会長の後ろをついていく。
ー20分後ー
「ここが理事長室です。」
コンコン
「はい」
「生徒会副会長です。転入生を、連れて来ました。」
「あぁ、入りたまえ」
中から声が聞こえてきて、副会長が扉を開ける。中に入ると、大きな黒いソファ型の椅子に座った若い男性がいた。
「……お前が理事長か…?」
「いかにも、私が理事長室の『リー』だ。副会長、案内ご苦労。もう戻っていい」
「はい。では"ルイ"。また後で」
「二度と会いたくない」
ルイにそう言われたにも関わらず、副会長は最後にニコッと笑って部屋を出て行った。
「逢魔君、そこのソファに座りたまえ。この学園の説明をしよう。」
「……あぁ…じゃない、はい。」
そうだ。俺はここでは17歳の人間。こいつは若そうだが一応今の俺からしたら年上なのだから敬語を使わねばならなかったんだった……。
「クス…もう副会長に気に入られたって所だね。予想はしてたけどこうもあっさり予想通りだとすごいな。」
「何が…」
「いや。君みたいな綺麗な子は、この学園では狙われやすいからね。」
「……?」
「…この学園、男子校なのは知ってるだろう?年頃の男が女子もいないこの密閉の空間で我慢できる筈がないだろう?だからね、必然的に恋愛対象が男にいくんだよ。
いわゆるホモ校なんだ、ここ。全員がそうだと思ってくれていい。」
……ホモ校。ここに来る前にメフィストに読まされたあの小説通りの学園ということか…。
「なんとなく分かった…です。特に容姿が特別良い奴はその対象になりやすい…ということだ..ですね。」
「その通り。それに、君はこの学園一番の美人さんになるだろうから、よく気を付けるんだよ。」
「……はい。」
あまりよく理解出来てないが、奇襲をかけてくる奴がいるなら片っ端から潰せばいいんだな。
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