57人が本棚に入れています
本棚に追加
魔界の最下層。コキュートスに魔界の王、魔王ルシファーのだだっ広い城がある。
あたりはたたずむ闇ばかり。コキュートスには暗く魔物ばかりがいる森や湖がある。
太陽の光など届かない、深淵の底。なぜかある月の光だけが、魔界を照らしていた。
魔王の城、最上部がルシファーの部屋。一面、黒の大理石で埋め敷かれたその部屋には真ん中にベットと、窓があるだけのシンプルな部屋だ。
「…魔王様。起きてください。」
「……ファウストか…」
「その名はおやめください。いつも通りメフィスト、またはメフィストフェレスと…」
「分かった。……食事は?」
「出来ています。さ、お着替えをしましょう。」
「……ん…」
薄めの赤色に、整った顔立ちをしたルシファーの執事、メフィストフェレス。短くメフィスト。
「……んっ……て、おい。なに服脱がしてるんだ。そして、なぜいま舐めた……」
「美味しそうでしたので…つい」
てへっ。とばかりに首を傾げるメフィスト。
「……でてけ。自分で着替えれる」
ルシファーの鋭い瞳がメフィストを威嚇する。その瞳にメフィストは渋々部屋を出て行った。
ーーーーーーーー
部屋を出て行ったメフィスト。
「危なかった……」
魔王様は自覚がないようですが、色気がありすぎて困ります。あの美しすぎる綺麗なお顔に、白い肌。薄いピンクの唇に大きくくっきりした瞳。童顔ではなく大人の顔つきだが、美しさが抜けない、全てにおいて。
とにかく、美し過ぎるんだ!あのお方は!!
自分もよく我慢していますよ。まあ、魔王様ですし。返り討ちにあうのは目に見えていますが。
.
最初のコメントを投稿しよう!