第1章

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魔界の最下層。コキュートスに魔界の王、魔王ルシファーのだだっ広い城がある。 あたりはたたずむ闇ばかり。コキュートスには暗く魔物ばかりがいる森や湖がある。 太陽の光など届かない、深淵の底。なぜかある月の光だけが、魔界を照らしていた。 魔王の城、最上部がルシファーの部屋。一面、黒の大理石で埋め敷かれたその部屋には真ん中にベットと、窓があるだけのシンプルな部屋だ。 「…魔王様。起きてください。」 「……ファウストか…」 「その名はおやめください。いつも通りメフィスト、またはメフィストフェレスと…」 「分かった。……食事は?」 「出来ています。さ、お着替えをしましょう。」 「……ん…」 薄めの赤色に、整った顔立ちをしたルシファーの執事、メフィストフェレス。短くメフィスト。 「……んっ……て、おい。なに服脱がしてるんだ。そして、なぜいま舐めた……」 「美味しそうでしたので…つい」 てへっ。とばかりに首を傾げるメフィスト。 「……でてけ。自分で着替えれる」 ルシファーの鋭い瞳がメフィストを威嚇する。その瞳にメフィストは渋々部屋を出て行った。 ーーーーーーーー 部屋を出て行ったメフィスト。 「危なかった……」 魔王様は自覚がないようですが、色気がありすぎて困ります。あの美しすぎる綺麗なお顔に、白い肌。薄いピンクの唇に大きくくっきりした瞳。童顔ではなく大人の顔つきだが、美しさが抜けない、全てにおいて。 とにかく、美し過ぎるんだ!あのお方は!! 自分もよく我慢していますよ。まあ、魔王様ですし。返り討ちにあうのは目に見えていますが。 .
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