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冥界の中央にあるどでかい城についたルシファー。サラマンダーを待機させ門の前に立つ。
すると、門番の黒い鎧をきた兵士が2人やって来た。
「魔王陛下だな。」
「……ああ。」
「今ハデス様の所へと案内する。来い」
兵士に促され城内に入るルシファー。兵士の態度が気に食わないと思いながらも進む。
にしても、やはり神の城というだけあって、少しばかり輝かしい気もする。今の俺にとって天界の光は毒だ。
すぐ帰らなければ……。
にしても、ハデスはどこに…
「……?門番兵はどこに…」
気付いたら、さっきまで前にいた門番兵がいなくなっていた。
「ようやく来たな。ルシファーよ」
「……っっ!!!」
その声が聞こえた途端、ルシファーの体がまるで金縛りにあったかのように動かなくなった。
「体が動かないか?まあ、それもそうだ。俺が動かないようにしたからな。」
「…き……さま…!」
ニヒルな笑みを浮かべ登場したハデスを睨むルシファー。が、逆にハデスはこの状況を楽しんでる様子。
「…魔王と言われる気分はどうだ?以前は天界で熾天使という一番神に近い天使だったお前が、堕天使となり魔王とまで言われるようになった…。
久しぶりに見たが、変わったのは名だけだな。眩しいくらいの美しさは以前となんら変わらない。とても…とても美しいまま。神々しく高貴で凛々しく甘いのも変わらない。」
と、言いながらルシファーの、首、鎖骨、胸、腰、太ももにかけスゥーっと指でなぞるハデス。
「……っ…」
何を言っているんだこいつは…。それに、こいつの言葉はいちいち耳障りだ…。その前にその指はなんだ!!
いい加減あたまにきた。
そしてルシファーの瞳が赤く染まり、力を外に放出する。すると何かが破裂したかのようにハデスの術が解けた。
「流石魔王様。俺の術なんて簡単に解けるか。」
「……貴様は…何がしたい…」
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