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「斉藤に星空は遅刻。
罰として、放課後花壇の植え替え手伝ってこいな」
「村上先生!
私が悪いんで、斉藤くんへのペナルティーは無しにしてください」
「駄目だよ。
いくら星空が可愛い顔で頼んでもな」
「村上先生、何気なく星空を口説かないで貰える?」
「口説いてないけど?」
「そうですよ、斉藤くん!
なに言って…」
「星空さ?
今の村上先生の言葉ちゃんと聞いてたよな」
「えっ…」
「マジ?
聞いてなかったの?」
「えっと、村上先生は私が頼んでも駄目って…」
「ふぅん?
肝心なトコは省くんだ?」
「えっ…」
真昼が何の事か分からない顔をしていると、村上 徠はフッと微笑みこう告げる。
「君の勘違いだよ、斉藤」
「ふぅん?
まあ、星空が知らないならいいや」
「…??」
真昼が隣でやはりキョトンとしていると、陽生ははぁーっと溜め息を吐いて席へと向かってしまう。
「星空も座れ」
「は、はいっ」
真昼がテクテク自分の席へと向かう姿を、徠はやはりジッと見ては微笑んでいた。
「1限目は自習にする。
各自好きな場所で勉強して構わない」
「先生はどうしたのぉー」
「風邪でお休みだそうだ。
自習出来るな?」
「「「はぁーい」」」
女子生徒が元気よく返事を返していると、徠は真昼をまた見つめて教室から出ていった。
「真昼、図書室行かないか?」
「玲くん、図書室行きたいの?」
「委員長も行きたいってよ」
「藍ちゃんも?」
真昼は藍をチラッと見つめると、教科書やノートを抱えてこちらにやってくる。
「藍ちゃんも図書室行きたいの?」
「真昼が嫌じゃないなら、一緒に行きたいのだけど…」
「嫌じゃないよ?
自習はどこでやっても構わないしね」
「じゃあ、行こう」
「玲くんも図書室って何か似合わないけどね?」
「うっせーよ、真昼のくせに」
玲がムッと拗ねた顔をしていると、藍はその顔をジッと見ていたが玲はそれに気付くとやめた。
「ほら、行くぞ?」
「玲くんが先頭切らないでよぉー」
「真昼に先頭は譲らないけど?
つーか、陽も行くぞ」
「んー
仕方ないな、玲は」
「嫌なら来なくていーぞ」
「まあ、行くけどな」
陽生はフッと微笑むと、玲に肩を掛けられながら図書室へと向かう。
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