20人が本棚に入れています
本棚に追加
「真昼、良かったね?」
「…玲くんが親友なんて未だにびっくりだけどね?」
「何か言ったか、真昼ー?!」
「何でもないよーだ」
真昼が軽く舌を出してそう言ってみせると、玲は真昼の鼻を摘まんで意地悪する。
「うぅー」
「生意気だから、悪いんだろ?
ちょっとは反省しろ」
「玲くんの鬼!」
「口塞ごうか?」
「…や、やだ!」
真昼は藍の後ろに身を隠すと、玲はムッとした顔をするとどうやら諦めたようだ。
「陽生、今日も甘いの貰えるのか?」
「んー
今日は貰わない日だからないよ?」
「ふぅん?
じゃあ、今日は持参な訳な」
「まあな」
陽生はフッと微笑むと、真昼をチラッと見てはまた前を向いていた。
「よし、勉強するぜ」
「玲くんが自主的に勉強してる…
どうしちゃったの?」
「俺だってやるときはやるんだよ」
「そうなんだ。
まあ、分からなかったら藍ちゃんに教わりなさいよ?」
「あー
そうするわ」
玲はフッと微笑むと、二人に気付かれないように藍にウインクして誘惑していた。
「陽、お前…」
「勉強タルいから寝る」
「はぁー
優等生は余裕だな」
「玲はもっと頑張れ」
「言われずともやってる」
玲が机に向かって問題と睨み合いをしている中、陽生は真昼をチラッと見る。
「斉藤くん、あの…」
「ん?」
「ここ、教えて貰えませんか?」
「ん、いいけど…」
陽生は真昼の隣に座ると、解りやすい解説を始めた。
だが、真昼は陽生が隣に来たせいで余り理解出来ずにいた。
「わかった?」
「えっ…」
「聞いてなかったの?」
「ご、ごめんなさい」
「いいけど…
何回も教えないよ、俺」
「すいません。
もう一度お願いします」
真昼が真剣な表情でそうお願いしてくる為、陽生はフッと微笑むともう一度だけ教えてやった。
「んで、こうなる訳な」
「斉藤くん、ありがとうございます!
やっぱり斉藤くんは頭良いですね」
「星空も成績は良いだろ?
大差ないよ」
「そ、そうでしょうか?」
「そうだろ?
あの、宇佐美を抜いてるんだしな」
陽生が藍を指差してそう告げると、真昼は照れくさそうに俯いていた。
最初のコメントを投稿しよう!