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「え、え、え」
何これ。
いったい、何が起こっている?
この、掌の上に乗ったモノは何だ?
爪先からガクガク震え始める。
もう一度股間を見て、俺は小さく悲鳴を上げた。
震えのせいで立っていられない。茶色いマットの上に尻もちをついた拍子に、右手から黒い塊が落ちた。塊は砕けて、黒い破片がクリーム色の床に散った。
「な……」
痛みはない。
ただ、息苦しい。
俺は胸のあたりを抑えた。
どうすんだ、これ。
医者か? 医者に行って、これ、どうにかなるのか?
これからトイレはどうするんだ。いや、そういう問題なのか?
突然、性器が腐りました。
誰にも言えねえ!
てか、何で、何で、何で!?
頭を抱えた拍子に、左手の指が元に戻ったことを思い出した。
左手が元に戻って、バンドにも復帰が決まった。
……夢を、もう一度、見ている。
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