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俺はサイトを閉じ、ミルクに電話をかけた。
コール音が鳴っている間中、何も考えられなくて。
ただ、ミルクの、耳にねっとり絡みつくような甘い声を聞いたら。
『もしもし?』
また、拳が震えてきて。
「……お前、どうしてくれるん」
『何よ、コウちゃん。そんなコワイ声出して、何かあったん?』
ミルクの能天気な喋り方が、俺の理性を壊した。
「何かあったじゃないわ!! どうしてくれるんじゃ! あんなふざけたサイト教えやがって、どう責任取ってくれるんじゃ!!」
『ちょっ、落ち着いて……』
「落ち着いとれるか、ボケが! 二度とエッチもできんし……ああ!!」
大きくため息を吐いた俺に対し、ミルクは冷静に言った。
『……コウちゃん、もしかしてラッキーチャンスやったん?』
「……そうじゃ。そしたらアソコが腐った。ははっ、もう、笑えん……」
驚くほど掠れた声が出た。俺はフローリングに座り込み、力なくベッドにもたれかかった。
『でもコウちゃん、代わりに何か欲しいモノ、手に入れたんやろ?』
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