第5話 輪島浩二編②

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 俺は左手を見た。 『……ふふっ、もしかしてウチ、コウちゃんとやった最後の女になれたんかな。それやったら、なんや嬉しいわ』 「何がじゃ。俺はちっとも嬉しゅうない」  クスクス笑っていたミルクが、ふいに真面目な声で言った。 『コウちゃん、最初のラッキーチャンスは期限付きやで。たぶん、今起きていることは全部もとに戻る。でも、次は、よう考えてしいや。ラッキーチャンスは4回必ず答えんとあかん。やないと大変なことになるで』  ミルクとの電話を終えたあと、俺はアンケートにあった文言を思い出した。 【なお、質問にお答えいただく期間は3日間です】  今日で、アンケートに答えてから2日目。  明日が終わったら、もしかしたら全部元に戻るのか?  少しだけホッとしたあと、セイタの顔が思い浮かんだ。  タローも、ヒサも。  みんな、喜んでくれたのに。  俺のこと、受け入れてくれたのに。  もしかしたら、明日がラストライブなのか?  ……だったら。
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