第5話 輪島浩二編②

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 タローが肩を叩いたのは、明るめの茶髪にぱっちりとした目をした男だった。ずい分肌が白く、ピンク色の唇は艶々している。 「こんにちは、ハルクです」  ハルクはにっこりと笑ってみせた。 「やけに可愛いな」  思ったことをそのまま声にすると、タローは無表情のまま言った。 「ライブはこいつ、鬼畜やで」 「へえ」  ハルクは頬を赤くしてうつむいた。 「今回、急に飛び入りさせてもらうことになって、ごめんな。ほんまにありがとう」  俺がそう言うと、ハルクは顔を上げて両手を振った。 「いえっ、そんな、全然気にせんとってください! 俺、コウジさんのファンやったから、めっちゃ嬉しいんです」 「マジか、そりゃどうも」 「待て待て、こいつ今、ファンやったって過去形で言ったで」 「ほんまや」  ヒサとタローに突っ込まれ、ハルクはますます顔を赤らめた。 「あははっ、ほんまに鬼畜なんか? ライブ楽しみじゃ」
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