3719人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
――なんだ、バレたか。
内心ちょっと焦った。
吉住のその一言で、部屋の空気が凍りついたのがわかった
いけない、いけない
「失礼しました」
手にしていた委託書を差しだしかけた俺は、それを引っ込めて吉住の隣までいくと、膝まずいた
「すみません、先日選んで頂いていた生地が納期――」
俺の、忠信
ま、表向きだけだけどね?
さぁ、どう出る?
「ごめんなさい、もう一回言って」
俺の言葉が頭に入っていないのか、
ああ、なんだ。
うろたえてんの?って、たいしたことないじゃん、この女。と、思わず口角を吊り上げてしまった
最初のコメントを投稿しよう!