思惑

5/35
3720人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
そんなことを考えながら、廊下に出て、一番端にある企画室へと向かう 「おはようございます」 パーテーションの向こう側に足を踏み入れると、一気に甘い香水の入りまじった女の香りが鼻についた 「「おはようございます」」 アシスタントデザイナー達の高い声が重なりあう 俺はそれに軽く会釈をすると、吉住の方へ向かってゆっくりと歩みを進めた 視線が、絡み合う まるで、にらみ合いをしているみたいで、――目をそらせば負ける。 そんな、空気感 吉住のデスクの前に立つと、自然と圧力をかけるように上から見下ろした 「目上の相手にその位置から質問?」
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!