第7話

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試合はウチの勝ちで終わった。 成宮充は最後までは出ず、田口と交代した。招待試合ということもあり、1年生にも試合に出る機会が設けられたようだ。 試合を見ていた人達が校内に流れていくのを見て、花菜は早智と永島君を交互に見る。 「あ、私もうクラスの方に行くね。クラスの当番もあるし。永島クン達も、学祭楽しんでいってね」 「私も行くね。当番一緒だし」 美妃が言うと、山田君がはにかむ。 「ありがとう。美妃ちゃん達のクラスも見に行くね」 阿部君が「どーも」と頭を下げた。 佐倉直人をちらりと見ると、黙って花菜を見ていた。 あまり喋る方ではないようだし、ただ無愛想なのだろうと考える。 「ねえ、成宮に声かけに行く?」 花菜はグランドに目をやる。 チームメイトと談笑しており、中には相手校の生徒もいた。 「……話しかけられないよね」 「だね」 美妃と校内に向かおうとして、グランドの人だかりから小池先輩が走って来た。 「花菜!」 「……先輩」 「この学校だったんだな」 首にかけたタオルで額を拭い、微笑む。 「……はい」 「花菜、先に行ってるね?少し遅れてきてもいいからね。話した方がいいかもしれないし」 美妃が耳打ちする。 花菜は頷いて先輩を見た。 「……元気だったか?」 「はい」 小池先輩が吹き出す。 「はいだけかよ。……てか、当然か。俺ら、何となく気まずくなっちゃったもんな」 小池先輩は力なく笑った。 「……先輩」 「ん?」 「私、いきなり先輩を避けちゃってたでしょ?」 「……うん」 「あの時、生徒会室で、他の女の子と話してるの聞いちゃって」 「……あー」 「ちょっかいかけただけだって。だから、ショックで……」 先輩は、タオルで顔を覆う。 「……そっか、ごめんな」
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