第1話

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 一口食べてみるけれど、熱く勢いで飲み込んでしまった。胸やけが襲ってきた。近くにあった氷の入った水を一気に飲む。  空気を吸い込み、吐き出して呼吸を整える。 「ハッハハ。相変わらずの猫舌だな」  水の入ったグラスを笑いながら差し出す。  宵宮雄一。去年にあったときは黒だった髪が銀色に変わっていった。銀髪にしたと聞いていたけれど、実際に見ると似合ってないなと思ってしまう。 「ありがとう。久し振りだな」 「一年ぶりか? 去年会って以来だな」 「そうだな。いつ銀にしたんだ」 「去年の会社の新年会で罰ゲームでな」 「銀髪似合ってないな」  つい思っていたことが出てしまった。  うるせぇ、と笑った。
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