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寒かった冬も過ぎ日照時間も長くなってきた。気温も温かくなり日向でも昼寝が気持ちよくなる季節は、誰しもがふわふわとした浮ついた気分になる。
無事に進級出来た生徒たちは二年生となり、必然的に先輩となる。
入学してから一年も経つと、さすがに慣れて緊張が解けてくる。
無駄に解けた緊張に加えて、先日入学して来た新入生が気になり(特に女子に)、どこか地に足が着いていないようだった。
「足浮立っていないか、もう先輩なんだぞ」
その言葉を何回聞いたことだろう。
一日一回はどこかで必ず耳にする。聞き飽きたを通り越して、耳に胼胝でも出来そうだ。
春に浮ついた気分になるのは当然のことかもしれない。寒く長かった冬が終わり、土の中で眠っていた草花が芽を出し、動物たちが穴から顔を覗かせ、子供たちが無邪気に駆け回る季節なのだ。
生命の本能、自然の摂理と言っても良いかもしれない。
ついでに付け加えるなら、変質者が増えるのもこの時期である。
温かくなったから浮かれているだけではない。
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