第1話

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 若い看板娘に案内された個室の襖を開けると、そこには懐かしい顔触れが揃っていた。  今年のお盆は帰省していないため、会うのは初夏以来なる旧友たち。 「おお、やっと来た」 「遅いよ」 「いやいや、いつも通りだろ」  ダウンジャケットをハンガーで掛け、空いている所に座る。 「何飲む?」  そう尋ねて来たのは、髪をブラウンに染め耳たぶにピアスを付けた小池海斗。 「とりあえず、ビールで良いよ。それと酢蛸があるなら頼んで」 「オーケー」  湯気だったもつ鍋の中身をお玉杓子で掬う。
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