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若い看板娘に案内された個室の襖を開けると、そこには懐かしい顔触れが揃っていた。
今年のお盆は帰省していないため、会うのは初夏以来なる旧友たち。
「おお、やっと来た」
「遅いよ」
「いやいや、いつも通りだろ」
ダウンジャケットをハンガーで掛け、空いている所に座る。
「何飲む?」
そう尋ねて来たのは、髪をブラウンに染め耳たぶにピアスを付けた小池海斗。
「とりあえず、ビールで良いよ。それと酢蛸があるなら頼んで」
「オーケー」
湯気だったもつ鍋の中身をお玉杓子で掬う。
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