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「今年の8月18日、大きな事件がありますよ。
会津と薩摩が中心となって、長州をはじめとする尊皇攘夷派を、京都から追い出しちゃうんです!」
きこの言葉に、部屋の空気は一変する。
やかましく騒いでいた永倉と原田さえも、一息の内に態度を改め、張りつめた薄氷のような静寂が訪れた。
予想外の反応を得て、きこは目をぱちくりとさせる。
誰かが口を開くのを待つが、一向に誰も何も言おうとしない。
あれ。よく伝わらなかったのかな。
分かりやすい、動きのある反応が欲しいきこは、もうひとこと、情報を添える。
「あのー、この後あなたたちの働きが朝廷に評価されて、名前が新撰組に変わるんですよ。
嬉しくないですか?」
「なにっ、朝廷に?」
考え込むような顔をして押し黙っていた近藤が、前のめりになって反応した。
あ、よかった。無視してたわけじゃないんだ。
満足したきこは微笑む。
いちばんに反応してくれた近藤に、一層の好感がわいた。
「そうです、よかったですね! やっぱり、褒められると嬉しいですよね」
「そうだな。それが真ならば、こんなに嬉しいことはない!」
「お祝いとかするんですか? ごちそうを食べたり!」
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