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『後悔するなよ。火傷程度では済まないぞ』
『では…参る』
護竜は溜めも無く一瞬にして強烈な炎を老人に浴びせる。老人は両腕を顔面前方で炎を避けようと片手を折り炎に耐えている。すぐに身の衣が萌え、やがて、このまま身が焼け崩れ落ちる…はずだった。
全身黒塊になった老人の姿を見届け
『終わったか』
と一言。
だが老人はその姿勢から身を動かそうとしている。そして…
『フン!!』
と体の黒色の表皮ごと吹き飛ばし護竜に強烈な熱波を浴びせる。
『クグォォォ!!』
護竜は熱波を受け苦しみながらも老人を睨む。
見るとそこに居たのは全身に強大なオーラをまとった若者だった。
『なんだ。護竜と言えど、こんなものか』
『貴様ぁ。見くびるなぁ』
護竜が前肢で若者に攻撃を仕掛けようとするが、そこには既に居らず若者は護竜の頭上に。
いつの間にか大剣を下方に突き立てそのまま、護竜の頭上から喉元までズガッっと剣が貫通する。
『クォォォォオ』
声にならない声を上げ倒れていく。
護竜が倒れたのを確かめると、そのまま台座へ。
両手を魔法陣の中に入れる。魔法陣からの結界が侵入者からの接触を拒もうと試みるも何事も無いように手を入れ赤子二人を取り出す。
『ようやく出逢えました。私めがお護り致します』
を両手を掲げ二人の赤子に話す。
若者が塔の外に身を投げるのに合わせ翼竜ワイバーンがそれを受け止める。
『今から貴方様の居城にお連れ致します』
翼竜に乗り塔を離れたのも束の間。
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