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こいつは思っていた以上にでかいヤマになりそうな予感がする。
蛇尾會(ショーウェイカイ)は龍津城砦に拠点を構えるチャイニーズ・マフィア最大勢力の組織で、首領のモウ・タンユは各企業のトップから政界にまで繋がりを持つほどの大物だ。
おそらく光明街でウォルターをかくまっていたのも蛇尾會と見て間違いないだろう。手に職あれば裏社会でも優遇されるわけだ。
ウォルター・ヴューカニッチに剥製屋グリンウォルド、そして蛇尾會のタンユ。どうやら警察の連中は戦争でもおっぱじめるつもりらしい。
おやっさんとの通話を切ると、紫苑が心配そうにいった。
「カキハラ……まだ怒ってる?」
どうにも無意識のうちに少し難しい顔をしてしまっていたようだ。
「別に怒ってねえよ。ただ、今回の仕事はかなり大ごとになりそうだ」
「わたしも頑張る」
「いや、敵の狙いはおまえだ。おまえはレイチェルのところでお留守番だ」
「どうして? わたし強いのに」
「強くても駄目なものは駄目だ。今回はおまえよりもっと強い警察のおじさん達が協力してくれるからな」
それに、今回のように命を安々と投げ出すような真似をされても困る。
こいつはラブレスとの決戦には欠かせない大切な存在だ。
しかし、タンユが様々な企業の上層と繋がっているとなると、いよいよカレルチャペック社もくさいな。こちらも洗ってみる価値はありそうだ。
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