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「おれだ。ウォルター・ヴューカニッチと剥製屋グリンウォルドが繋がっていることがわかった。そっちはシドニー・ロットンから何か情報を引き出せたか?」
「奇遇だな。おれも舌打ち屋の取り調べで剥製屋の名前が出てきたところなんだ」
「まさか、おやっさんと同じ相手にいき着くとはな。剥製屋の潜伏先のメドはついてるのか?」
「それなら数年前から潜入調査官を送り込んでいる。奴の本拠地はロサンゼルス港にある貸し倉庫だ。一人で乗り込もうなどと思うなよ」
「さすがにおれだって喧嘩を売る相手ぐらい選ぶさ」
「ウォルター・ヴューカニッチと剥製屋が絡んでいるとなると、ことはかなり厄介だ。三日後の明朝に部隊を編成して突撃する予定だ。おまえも参加するだろ?」
おそらく、警察は剥製屋を関連組織ごと一斉検挙するために長年泳がせていたのだろう。
どうやら、普段バグの処理はデバッグ機関に丸投げしているWPOも、剥製屋に関しては本気のようだ。今回は警察の人間との共同戦線になるだろう。
「刑事が勝手に機密情報をもらしておいて参加するだろ? はねえだろおやっさん」
「だな。三日後の朝五時に署に集合だ。遅れるなよ」
「ああ。しかし、その三日後に何かでかい集会でもあるのか?」
「蛇尾會との会合が開かれるそうだ。そこに乗り込んで一斉に検挙する」
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