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そういえば、剥製屋のアジトに突入する日はレイチェルに紫苑を預けなければならない。
ならば早めにいっておいたほうがいいかもしれない。
今日は思い出巡りからのラブレスとの遭遇でドンパチかまして足まで撃たれてもうクタクタだ。撃たれた箇所の応急処置も大変だった。これからまたレイチェルに電話しなきゃならないと思うとそれだけで勘弁してほしい。
しかしおれも大人だ。やるべきことは、その日のうちにしっかりとやっておかなければならない。
よし、レイチェルには明日電話しよう。
「紫苑、そろそろ寝るぞ」
テレビと照明を切ってベッドに入ると、紫苑も疲れているのだろうか、素直にソファに横になった。
4
翌日、おれが目を覚ましたのは昼前だった。疲れも溜まっていたせいか、少し寝過ぎてしまったようだ。
紫苑はまだ、ソファで毛布にくるまって寝息をたてている。
おれは昨日の予定を思い出して、顔を洗うよりも先にレイチェルに電話をかけた。
「おれだ。すまないが少し頼みたいことがあるんだ」
「何よ、ぶしつけに」
「実は、明日の晩から少し紫苑を預かってほしいんだ」
「紫苑を? だったら別に構わないけどどうして?」
「明後日の明朝から、ダニングのおやっさん達と一緒に剥製屋のアジトに突入することになった」
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