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バグの発症には初期年齢と記憶、精神的アルゴリズムの関係性に何かしらの原因があると考えられているが、今のところ定かではなかった。かといって、人造人間の製造をやめれば人類総出で火星かどこかにでも引っ越さない限り、いつか必ず人類は絶滅してしまうだろう。
人造人間と人間による交配は、遺伝子的な問題で極めて出生率が低く、倫理的観点から実験を試みることもできなかった。奇跡的な確率で生まれた人間と人造人間の中間にあたる二世種が、次代の人類としてじゅうぶんな人口割合を占めるまでは間違いなく人造人間は製造され続けることになる。
バグの多くは人間社会に害をなすが、ただでさえ人間が起こす犯罪に追われる警察はバグの対応に手を焼いていた。事態を重く見た政府はバグの対処法として、かつてアメリカ合衆国がおこなっていたバウンティーハンター制度を再導入し、警察の下請けにあたる新たな国営の機関を設立した。それがデバッグ機関。
デバッグ機関は、WPO(世界警察機構)によって指名手配されたバグを捕獲、沈静、やむを得ない場合は殺害して報酬を得るデバッガーというフリーの賞金稼ぎに情報を斡旋する機関だ。
ラブレスはおれの両親を殺した時と同様の犯行を繰り返し、今となってはバグの中でも特A級指名手配犯として危険視されている。おれは、必ずこの手で奴を殺すことを誓い、十八歳でデバッガーになった。
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