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朝、目が覚めると身体を起こす、という表現が正しいのかは分からないが、一睡の後に覚醒して見たものは石造りの部屋で白色の天井であった。
壁も白色で清潔感が漂う一室となっている。床もフローリングではなく、白の石材を敷き詰められたものだが、俺はその上では寝ていない。
ホテルサイズの二人が一緒に寝ても問題のない大きさのベッドの上で、一般的なメイキングのされた物に包まれて寝ていた。
隣で寝ていた黒髪長髪の美少女も俺が起き上がったことが切っ掛けになったのか身体を起こしてくる。
「ごめん、起こしてしまったかな?」
「うーん、大丈夫。私もちょうど目が覚めたところだから」
睡眠時間と寝つきが良かったのと寝起きが良いらしく、目を擦りながら身体を起こしてくる。
「おはよう、シン」
「おはよう、カオル」
お互い笑顔で朝の挨拶を交わすと俺が彼女を愛しく思って抱き締める。変態とやってることは変わらないのだろうが、嫌がる素振りも見せず応えてくれる。
「どうしたの、シン?」
「んー、カオルが可愛いからつい……ね」
もう、と顔を赤くする彼女は満更でもないようだが面と向かって言われて照れているようだ。
俺たちのいるところは眠る前と景色は変わっているが、「ダンジョン」と呼ばれる建造物の中に俺たちはいる。
この部屋はカオルのダンジョンマスターとしての特異な力によって創造され、地球上の一般家庭並みに整った部屋となっている。
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