外界接続に備えて

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ダンジョンマスター、カオルの特異な力はこの『ダンジョン』においてのみ有効で、こうした部屋や空間を生み出すことができるようだ。 形は自由自在、ただしイメージする想像力とイメージを固定する集中力が必要で、生み出す空間は無限ではなく有限、容量のようなものがある。 現在いる場所は、取り敢えず二人で暮らすのに、どれほどあれば良いのか分からなかったので、若干広めに生活空間を創ったのだ。 他は掘り下げられた何もないそこそこ広く感じるスペースがある。これはカオルが自身の力を説明するのに適当に生み出した空間であるので、ホントに何もない真っ新なところだ。 後は、カオルを『ダンジョンマスター』に変えた元凶ともいえる漆黒の宝玉が鎮座する台座の間があるのだが、それはこの『ダンジョン』に元々あるらしくカオルの力は関与しない。 ただ、生活用品・用具、設備は宝玉が創造したもので、地球上にいた頃と変わらない状態に近づけたのは宝玉のお陰なので複雑な気分になる。これもまた使える容量が存在していて、必要な物を揃えるのに半分近く費やしてしまったらしい。 「らしい」というのは、俺はこの宝玉の容量を測ることも感知もすることができない。『ダンジョンマスター』となった彼女の権限と能力のようで、「何故だか分かる」状態なのだという。 現状、夢なのかと疑いたくなることばかりだが、お互いにほっぺをつねくりあって、痛かったので9割方現実に起こっていることだ。 余談ではあるが、彼女の頬が柔らかく、優しく摘まんだとき「ゆっ」と訳の分からない可愛い反応をしたので、両手で摘まんで遊んでしまい、涙目になられてしまったのは今でも愉快で楽しかったと思い出すたびに思う。
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