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対照的に俺ことシンは、他人を遠ざけてしまう風貌をしている。学校での生活上の経験と自己を客観的に判断してのことだ。
鏡に映る姿は少しは容姿を気遣えと言われそうなほど酷いものだ。
まずは髪、高校に上がって染めてみたいとも思わず一度も染めたことはないが、秋口から伸ばし放題にし初夏で切る予定だったので男子にしては長過ぎる。
身長は縦に長いが、食べることが好きなのが祟って体重は標準を少し超える。夏に入って食欲が落ちて体重が落ちているので辛うじて見られる。
骨格もパーツは悪くない癖に生活習慣が「終わっている」と評されるレベルなので、マイナス加点が大き過ぎてダメな男の人、というのが周囲の言だ。
服の下を拝見した訳ではないが、カオルは制服の上からでも分かるスタイルの持ち主で身長も女子にしては高めで、スカートから伸びたスラッとした足がより印象を深める。
俺とは別の意味で他人を寄せ付けない容姿の持ち主で、何故こんな俺と一緒にいるのか、と学校の連中に知れでもしたら大変な事件となるだろう。
まあ、そんな事お構い無しに脊髄反射的に何か言ったり、何かしたりしているのだが、彼女からの御叱りも嫌がる様子もないので止めはしない。
そして、俺はこの『ダンジョン』においては現在ただ1人、『ヒューマン』というカテゴリーに分類されていて彼女の配下に位置するところにいる。
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