Sweet's Beast Whiteday

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「ちょっと、何するんだよ?」 「お前ドジだから、飲み忘れあったら困るだろ。口を開けて待ってろ。放り込んでやる」  てきぱきと表示通りに薬を出していく姿に、申し訳ない感満載の俺。さっきから、お世話になりっぱなしだから…… 「自分でやるからいいよ。もう」 「ほら、得意の妄想でもしてろ。俺は研修医なんだろ? 今度は内科医か?」  笑いながら、口を開けろとジェスチャーする。ここはお言葉に甘えるとするか。  喜んで口を大きく開けると、手にした錠剤をジャラジャラ入れてくれた。そしてペットボトルの水を口に含み、わざわざ口移しで飲ませてくれるサービス。 「何から何まで、ありがと翼」 「ただ俺は、早く良くなって欲しいだけだから。ほら、ベッドに連れて行ってやる。掴まれよ」  俺の腰と膝裏に腕を通して、お姫様抱っこで優しく、ベッドに連行してくれる。ベットに下ろされても、翼の首に絡めた腕を離さなかった。 「翼、ホントに」 「謝るなよ。今まで寂しい想いさせて、ごめんな。これからは傍にいてやれるから、安心して寝ろ政隆」  その言葉に絡めていた腕を離して、口元を押さえた。  寂しいなんて、ひとことも言っていないのに、どうして分かったんだろうか?    俺の横に体をずらして頬杖をつきながら、片手は俺の頭を優しく撫でる。 「俺のことを考えないように、仕事ばっかやってたんだろ? もういい歳なんだから、無理すんなよな」 「ありがと、翼」  何回、ありがとうを言ったかな。ホワイトデーが、サンキューデーになってるよ。
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