Sweet's Beast Whiteday

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 不思議顔して小首を傾げながら、翼に問いかけると、さっきよりも呆れた顔をしながら、白い目で俺を見る。 「お前が関さんの迷惑を考えず、バレンタインのチョコを見せびらかしたからだろ。その後警察学校に、わざわざ手紙を寄越してきたんだ。君のメアドを教えてくれないか。水野くんの迷惑行為について、詳細に記載してあげるからって」 「何だよ、それは……」  俺のカッコ悪いとこを、ご丁寧にお知らせするなんて、お節介なことをするなぁ。 「コッソリ様子を見に来たら、しんどそうにフーフー言って寝込んでて、すっげぇ肝が冷えたんだぞ。慌てて買物に走ったんだから」 「ごめんね……ありがと」  久しぶりに会ったというのに、甘い雰囲気の欠片すらない。その原因は、俺の風邪のせいなんだけどね。 「さっきよりもだいぶ、顔色がマシになったみたいだな。メシ食えそうか?」 「実はさっきから、お腹が鳴ってます……」 「学校の家庭科でしか、調理実習してない俺の腕前だ、味の保証はしないぞ。サイトを見ながら、初めて作った物だしな」  腕まくりをして、右手に包丁を持って笑ってる翼は、ドキドキしちゃうくらい格好いい。  思わずポワーンと見惚れていると、空いてる左手で頭をわしゃわしゃと撫でられた。触れられただけで、無駄に熱が上がりそう。 「あとはこのネギ切って、ぶち込んだら終わるから、布団に入って待ってろ。ヨダレを垂らしそうな顔して、みっともないぞマサ」  お腹がすいてるのは事実だけど、別の意味で、翼に超飢えているんです。く~っ、風邪の身が口惜しい! 「分かったよ、待ってるね」  そう言って、踵をちょっとだけ上げ、翼の左頬にチュッとした。 「病人のクセに、煽るようなことすんな。バカッ!」  真っ赤な顔して手にした包丁を振り上げたので、慌ててベットに潜り込む。翼の顔色以上に、俺の方が赤いかもしれない。  にしても、照れた表情は相変わらずだなぁ。初めてほっぺに、チュウした時と同じだった。ただ違うのは……  俺が背伸びをして、キスしたということだ。どんだけ、すくすくと背が伸びたんだか。
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