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一晩中眠っていなかった紗枝が
透析室から出て行くと
速攻で俺のベッドの横に
やって来た松田先生が
口撃を開始する。
「主治医を邪魔者扱いとは
たまげた患者だぜ」
「悪かったよ。
でも紗枝とどうしても
二人だけで話したかったから」
「悪いとは思ったけど
カーテン越しで聞かせて
もらいました」
「だろな」
クスッと笑った俺に
松田先生はどこか
悲しそうな瞳で呟いた。
「なぁ聖…。
お前さ…子供が欲しいから
紗枝ちゃん…じゃないよな?」
正直、なんで松田先生が
そんな事を聞くのか
俺には理解出来なかった。
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