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けれど…
たとえ15歳でも
全てを分かっていて
こうして私に連絡を
して来る亜希ちゃんを
無視する事なんて出来なかった。
「…もしもし…?」
『あっ、紗枝さんこんにちわ!
あのね、さっきパパに電話して
OK貰えたんだけど、
今週末また会いに行きますね!』
嬉しそうな亜希ちゃんの声を
聞きながら疑問を感じた。
亜希ちゃんは本当に
私と孝之の現実を
知っているのだろうか?
けれど動揺する気持ちを
必死にねじ伏せて私は
極力明るい声色で
それに答えるしかなかった。
「そう、じゃあまた
本庄駅まで迎えに行くね」
「はい!
またよろしくお願いします!」
切れた電話を見つめながら
大きくため息を吐き出す。
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