言えない言葉

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電話の亜希ちゃんの様子は やはりどうしても、 私と孝之の事情を知っている ようには思えなくて。 もしかしたら… 私の背中を押すために 孝之が嘘をついたのだろうか? 膨らんで行く疑問と 聖を思う不安な思いが 私の中で激しく交差する。 けれど今は… 一刻も早く聖の顔が見たい。 そんな思いを胸に 病院へ向かって車を 走らせた。 病院に着くと、 松田先生が正面玄関で 私を待っていてくれて。 「紗枝ちゃんこっち!」 どこか緊迫した様子の 松田先生にますます 不安が募る。 松田先生に導かれ エレベーターの乗り込むと 動き始めた箱の中で ポツリと松田先生は呟いた。
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