2126人が本棚に入れています
本棚に追加
電話の亜希ちゃんの様子は
やはりどうしても、
私と孝之の事情を知っている
ようには思えなくて。
もしかしたら…
私の背中を押すために
孝之が嘘をついたのだろうか?
膨らんで行く疑問と
聖を思う不安な思いが
私の中で激しく交差する。
けれど今は…
一刻も早く聖の顔が見たい。
そんな思いを胸に
病院へ向かって車を
走らせた。
病院に着くと、
松田先生が正面玄関で
私を待っていてくれて。
「紗枝ちゃんこっち!」
どこか緊迫した様子の
松田先生にますます
不安が募る。
松田先生に導かれ
エレベーターの乗り込むと
動き始めた箱の中で
ポツリと松田先生は呟いた。
最初のコメントを投稿しよう!