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「天然ブラックジャックには
この繊細さは分からねーよ」
減らず口を叩いた俺に
松田先生は小さく笑いながら
呆れたように答えた。
「なんだよそれ」
けれど…
微かに手に残る紗枝の
温もりは夢では
なかった気がする。
そう思いながら
自分の手を見つめた俺に
松田先生は悟ったように
その現実を俺に伝えた。
「紗枝ちゃん…
ずっと聖のそばにいてくれたよ。
だけど今日から亜希ちゃんが
遊びに来るから…
来週まで来られないから
聖をよろしくお願いしますって
俺に言って帰った」
…ああ、やっぱり紗枝は
ここにいてくれたんだ。
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