夢の中で

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それだけで弾む俺の胸。 俺…どんだけ紗枝に 惚れてんだろ。 気付いた時にはもう 俺にとってかけがえのない 存在になっていた紗枝。 初めて会った日に 彼女を愛しいと思えたのは… 彼女が持つ独特な雰囲気と まるで聖母マリアのような 慈しみの瞳。 けれどその瞳の奥底に 苦しいほどの悲しみを 抱えていた彼女の 心の叫びが聞こえた気がした。 「私を助けて」 俺が心を開いてくれないのが 悲しいと泣きながら 訴えた紗枝。 でも… あの時の彼女はたぶん… 歩み出せずにいる自分も 誰かに見つけて欲しかった。 それが俺の感情とリンクして 一気にのめり込んだのかも 知れない。
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