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それでも…
俺は彼女に恋をした。
不実な関係と分かっていても
彼女をどうしても
失いたくなかった。
だから…
あの時俺は紗枝に
全てを注ぎ込んだのだ。
その思いは今も変わらない。
たぶん…
出逢う順番を間違えただけで
俺と紗枝はきっとこうして
惹かれ会う運命にあったはず。
ゼウスとメティス。
ベガとアルタイル。
どちらであっても
俺と紗枝は必ず巡り会えた。
そんな事を思いながら
小さく笑う。
最後まで諦めずに…
俺はもう一度この腕で
彼女を包み込んで
あげたいから。
「松田センセ、ちょっと疲れた」
もう少し眠りたくて
ポツリと言った俺に
松田先生は静かに頷く。
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