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それから2日後。
俺はついに移植を
受ける事になった。
隣のベッドで横たわる
親父の穏やかな表情に
目頭が熱くなる。
「親父、ありがとな」
ポツリと呟くように
言った俺の方へゆっくりと
顔を向けた親父が
笑いながら頷く。
「お前こそ良く
覚悟してくれたな。
それでも生きたいと
思える何かが見つけられたか?」
聞かれた言葉に俺は
小さく笑みを見せ
それに答えた。
「ああ、見つけた。
全てが終わったら
親父にも紹介するよ。
俺の一番大切な人」
そう言いながら
見つめた窓の先には
今日も真夏の太陽が
ギラギラと輝いているけれど。
その灼熱に負けないくらい
俺の胸も熱かった。
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