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私のいない景色は
今のあなたには、どう見えていますか?
あなたは今、笑っていますか?
雪が降ると思い出すのです。
肌を切り裂くような冷たい空気を
身体が覚えているのです。
あなたのぬくもりも
熱も
与えられた快楽も
残された痛みも
全て忘れてしまったのに。
あの、たったひとつだけ切り取って残すことが出来た時間の
山も木も空気も凍る氷点下、それでも何故か暖かかったあの一瞬だけを
何度季節が巡っても
私は思い出すのです。
私は今
あなたのいない景色の中で、生きています。
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