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「優陽さんが、ちゃんと答えてくれたら戻りますよ」
「だから月君は、高梨さんと付き合ってるんでしょ? それってどうなの? 彼女がいるのに、私とまた……とにかく、浮気は駄目よ!」
今の子は、ここまではっきり言わないと分からないのだろうか。
なるべくそういう事は、口にはしたくなかったんだけどね……。
だって、嫉妬している浮気相手みたいで嫌だったから。
不倫している浮気相手みたいで、何かやるせない気持ちになってしまうもの。
「でも奈央は、本気にならないならいいみたいですけど?」
「それでも、駄目なものはダメなのよ!」
浮気と本気の境目ってどこなんだろう。
本気じゃないなら、浮気はしていいの?
そんな言葉は、大人になってから覚えなさいよね!
「優陽さん。さっきから遠回しな言い方ばかりしないでください! はっきり言ったら、どうなんですか? オレは婚約者の弟だから、関わり合いになりたくないんだって、」
「そんなんじゃ……」
私は、その言葉に反論する事が出来なかった。
……図星だったからだ。
桜さんと別れると決めた今、月君とこのままずるずると会う訳にもいかない。
これ以上、泥沼にハマるなんて冗談じゃない。
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