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ねぇ月君……
私もあなたぐらいの年齢に戻りたいわ。
そしたら欲しいものを我慢しなかったと思うのよ……
――…
それから月君が資料室を出て行った後、私は身体を起こした。
あの……バカッ!
こんなところに、いっぱい “印” をつけていって。
今日、この上着を脱ぐ事が出来ないじゃない。
私は上着を身に着けながら、可笑しくて仕方がなかった。
桜さんは絶対につけてはくれない、ピンクのその “痕” 。
誰かに見られたら、どうするのよ?
肌に刻まれている刻印。
今まで触れられていたそこが熱くてたまらなかった。
その感触を思い出すだけで、変な気持ちになる。
……そう、私は彼に惹かれ始めていたのだ。
近寄っては駄目!
……とても危険人物だから!!
けど……
もっと壊してほしかった。
今まで真面目に生きてきた人生を、塗り替えてほしかった。
刺激のある毎日に変えてほしかったんだ―――……
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