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――――……
「美菜ちゃん、紅茶でいいかな?」
「うん! 優陽ちゃんありがとう!」
……教育実習の一日目を終えると、突然美菜ちゃんが私の家へとやって来た。
はっきりいって美菜ちゃんが私の家に来るのは珍しい。
多分、何か話があるのだろう。
私達は四人で一緒にいるのは当たり前だけど、こうやって二人きりで会うのは初めてかもしれない。
女の子同士なのに、今まで恋バナ的な話しすらした事はなかった。
でも耀君とラブラブの美菜ちゃんには、あまり悩み事なんてない気がするんだけど?
「ねぇ優陽ちゃん。今日は指輪してないの?」
美菜ちゃんが、私の手をじっと見つめながらそう言った。
その言葉で、カップを載せたトレイを思わず落としそうになった私。
「もしかして……その、婚約者とダメになったの?」
……図星だ。
正確には、自らダメにしたんだけどね。
でもやっぱり女の子の勘って、鋭いなぁ。
「……うん、別れたのよ」
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