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私はまるで月君の彼女になったみたいに、彼の事が気になって仕方なかった。
それから私は、再び名簿に視線を戻して出席をとった。
月君は、私には見向きもしない。
高梨さんはというと、月君の隣の席に腰を下ろしてメイクを直し始めている。
二人で一緒に遅れてきたという事は、二人はずっと一緒にいたのかしら?
やっぱり……どうしても気になってしまう。
どこで、何をしていたんだろう……?
名簿をとりながら、私はずっと彼の事を考えていた。
――…
そして初授業を終えると、私は担任教師を追いかけて廊下に飛び出した。
「水口(ミズグチ)先生!」
教育実習生といえど、今からその担当教科の復習とか次の授業の準備とか色々ある。
でもそれより疑問点が一つ……聞かずにはいられない。
「沢村先生、何かしら?」
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