再会

6/40
1075人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
私はまるで月君の彼女になったみたいに、彼の事が気になって仕方なかった。 それから私は、再び名簿に視線を戻して出席をとった。 月君は、私には見向きもしない。 高梨さんはというと、月君の隣の席に腰を下ろしてメイクを直し始めている。 二人で一緒に遅れてきたという事は、二人はずっと一緒にいたのかしら? やっぱり……どうしても気になってしまう。 どこで、何をしていたんだろう……? 名簿をとりながら、私はずっと彼の事を考えていた。 ――… そして初授業を終えると、私は担任教師を追いかけて廊下に飛び出した。 「水口(ミズグチ)先生!」 教育実習生といえど、今からその担当教科の復習とか次の授業の準備とか色々ある。 でもそれより疑問点が一つ……聞かずにはいられない。 「沢村先生、何かしら?」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!