5人が本棚に入れています
本棚に追加
勢いであんなこと言っちゃったけど、どうしよう。
全く何も考えてなかった僕は途方にくれた。
何回思い出しても恥ずかしい台詞に悶えそうになる。本心だからこそ恥ずかしい!
まぁでも、気持ちを知って貰えた分は一歩成長だ。
これからは隠さなくてもいい事にホッとする。
それに、先輩が受け止めてくれた。
嫌われてもおかしく無かったのに。
嬉しくて、枕に顔をうずめながら足をバタバタと動かす。
「きもっ」
まさか、とドアの方を見ると心底不快感を表した目でこちらを見ている涼がいた。
「りょ、涼?いいいいつからそこに!?」
「結構前からいたけど。
お前の事だから多分また何かやらかしたんじゃないかと思って聞きにきた。
ついでに大樹もいるけど叔母さんに捕まってるぜ?」
どういう事だ、と反論しそうになったが、実際そうなので泣く泣く諦める。
それに、この2人がいてくれたらなんとかなるかもしれないし。
リビングに行くと、大樹がシャーベットをよそっていた。
「おはよー!楓のお母さんすごいよ、シャーベットを手作りとか面白い!!」
「…あぁうん、おはよ」
多分母の物だと思われるピンクのエプロンを着て、満面な笑みで話しかけてくる大樹に、やっぱいコイツ残念な奴だと思う。
受け取ったシャーベットを食べながら、昨日あった事をそのまま伝えた。
もちろん、名前は伏せてだ。
でもこいつ等は、絶対そこを追求してきたりはし無いのだ。
きっと僕が言わない限り、聞いてこないのだろう。
本当に心の底から感謝している。
いい友達を持った、僕には勿体無いくらいだ。
そんなの絶対言ってやらないけど。
最初のコメントを投稿しよう!