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夏祭り
夏休みに入る前の日、夏祭りがやってきた。
終業式も終わり、学校中で皆が今日の祭りに心を踊らせて居るのが分かる。
待ち合わせの予定などを話し合うカップルや、友達などがあちらこちらに見受けられた。
中宮先輩は彼女と行かないと言っていたから、友達とでも来るのだろうか。
会えるといいな。
私服が見れたらラッキーだ。
「楓、今日6時に俺の家に来いよ。」
「りょーかい、何食べよっかなー」
帰りながら屋台の想像をする。
甘党である僕には、好きなものを沢山食べれるチャンスだ。
2人でわいわいと計画を立て、家の前で別れる。
家に帰って着替えた僕は、先輩にメールを送るか送らないかで悩んだ。
何時もなら学校が終わったら来るのに、今日は来ていない。
まぁ、先輩も友達との予定に忙しいのだろう。
そう思って気にしないことにした。
本を読んで時間を潰していると、後5分で6時だった。
戸締りをして涼の家に向かうと、玄関に小橋が立っているのが見えた。
あぁそうだった、あいつも一緒に行くんだったな。
そんな失礼な事を思っていると、向こうが俺に気付いたらしい。
「あっ御堂!今日はいきなりご一緒させてもらってわりぃな。」
「いいよ、小橋こそ僕達とでよかったのか?」
「ずっと御堂と話してみたいって思ってたんだよ。
大樹でいいよ。俺も楓って呼んでいいか?」
もちろんと頷くとパァと浮かぶ笑顔に、犬みたいだなと思っておかしくなる。
「おい、2人共来てたならチャイム鳴らせよ。」
そう言って出てきた涼に謝って、祭りへと向かった。
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