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出会い
あなたと初めて会ったのは、部活での自己紹介の時。
中学の時からしていたバドミントンは、特別上手い訳でもないが好きだった。
「俺の名前は中宮 海(なかみや かい)よろしく。」
「みんなー海はチャラいからねー
女の子食いまくってっから。」
「ないない、彼女一筋です。」
嘘つけ、とふざけだした先輩達に、少し戸惑う僕たち新入部員。
チャラいと言われたその先輩は、かっこいいというよりも綺麗な部類に見えた。
もともとそうゆう軽い人があまり好きでは無い僕は、中宮先輩に好意よりも苦手意識を持った。
一年生が順番に自己紹介している中、不意に中宮先輩と目が合う。
じっとこっちを見る目線に耐えられなくなって視線をそらした。
「楓ー!かーえーでー!お前の番だぞ!!」
家が隣の幼馴染である涼に呼ばれる。
俯いていた僕は順番が回って来ていたのに気付かなかった。
「あっ、すみません。御堂楓(みどうかえで)です。よろしくお願いします」
緊張して少し頬が熱い。
自己紹介が進んでいく中で、こっちを見続ける中宮先輩の視線をやけに痛く感じていた。
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