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「う~~~~っ......」
本当に、こんな奴がよく魔女なんてやっていられるものだ。
「バカ」という単語だけで威厳の「い」の字が消え去ってしまうような奴に......。
俺たちのやり取りを見て、戦人の表情が若干緩んだように見えた。
「戦人。このバカが失礼した。今回は、俺のゲームで機嫌を直してはくれないか?」
「お前の......?」
「もちろん、これは、ベアトリーチェと戦人のゲームだ。今回のゲームで戦人が勝っても、ベアトリーチェに勝ったことと同じ意味を持つ」
「......」
妹のことを思い出しているのか。
魔女たちの残酷さを呪っているのか。
俺を警戒しているのか。
「......分かった。今回は、それで勘弁してやらぁ」
俺は、再び握手を求めた。
馴れ合うつもりは無い。これは、俺にとっての決意表明みたいなものだ。
「馴れ合うつもりは無え!最初から、手加減無しで来やがれ!!」
そう言って、ようやく手を取る。
ああ。そうだった。
戦人ってのは、こんな奴だった。
蚊帳の外のベアトリーチェは、不貞腐れながら茶菓子を貪り喰っている。
そんな彼女に問うた。
「ベアトリーチェ。何があったのかを話してくれ」
俺は、現状を把握していない。
問題視する必要もないが、出題者となる以上は知っておくべきだろう。
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