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青年は、白き部屋にて、己の記憶を振り返る。
今はまだ、この白と黒の部屋の中に閉じ込められているが、最初からこうだったわけではない。
解放されたい。
そう願うのは、いつもの日課。虚しく散る願い。
どこかの《世界》にヒントがあったはずなのだ。
この部屋と、異なる世界の中で過ごした年月は、人間の寿命を遥かに超えた。
再び《世界》へと赴いてみよう。
何かしらのヒントが得られるかもしれない。
青年は、意を決して立ち上がり、行きたいと思う《世界》を選んだ。
かつて消した記憶を引き上げる相手を決め、白いドアに手をかけた。
行き先は────
「六軒島。薔薇庭園」
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