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「ちょっと!アンタ聞いてんの!?」
楼座とは別の女性が、ヒステリー気味に声を荒らげる。
他の親族たちも、警戒の眼差しを向けていた。
「なあ、源次さん。さっきのやり取りを見ていて思ったんだが......こいつのこと、何か知ってんじゃねえのかい?」
「本当なの、源次さん!?」
全員の視線が源次に向く。
それに対して、焦るでもなく、緊張するでもなく、いつもと変わらない冷静な態度で、それを肯定した。
まあ、自己紹介くらいは自分でやるさ。
「お初にお目にかかる。俺の名は、右代宮 狼銃(ローガン)。金蔵の『友人』だ」
親族たちは、驚きを隠せずに唖然としていた。
......無理もない。
「お義父様の友人?右代宮を名乗るだけでも失礼きまわりないというのに......っ!本当のことを、おっしゃいなさい!」
「奥様。......狼銃様は、間違いなく右代宮の人間でございます。そして、お館様のご友人であり、お師匠様でもあるのです」
「なん......ですって......!?」
右代宮 狼銃。
それが、今回の《世界》での、俺の名前。
すげえ名前だなあ、としみじみ思う。
まあ、他の親族たちも似たようなものだが......。
金蔵の名付けのセンスは皆無、もしくは次元が違うなあ......。
「証拠はあんのかいな!」
どよめいている中から、小太りの男が声を上げた。
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