4人が本棚に入れています
本棚に追加
「殺した?......何の話だ」
「しらばっくれんじゃねえぜ!」
......なるほど。
第一の晩は、もう終わっているらしい。
その対象に、彼女の父と嘉音が選ばれたというわけか。
「じゃあ聞くが、殺されたっていう君の父親と、嘉音とやらはドコに居たんだ?」
「お前が礼拝堂で殺したんだろ!」
「鍵は?あそこはマスターキーでも開かない特別な鍵を使っていたはずだ。......誰が持っている?」
「うー!真里亞が持ってたよ。ベアトリーチェにもらった手紙に入ってたの!」
「ほぅ......」
なるほど。何となくだが、予想がつく。
******
俺の思考を遮るように、場面が一転した。
巨大なスクリーンで、自分が出ている映像を観せられているかのような感覚に陥りそうになる。
目の前には、深紅のドレスを身に纏った女性と、頭を抱えて俯く男性の姿があった。
「ロー!」
「よぉ、ベアトリーチェ。久しぶりだな」
女性......もとい、ベアトリーチェ。
俺を『ロー』と愛称で呼ぶ魔女だ。
この《世界》には、ヒントを探しに来たと伝えると、少しつまらなそうにしていた。
どうやら、そこで俺とベアトリーチェを睨んでいる男性をいたぶりに来たのだと思っていたらしい。
その男性が、さっきの場所にいた少年だと気付くのは一瞬だった。
最初のコメントを投稿しよう!