第2話

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「ここに毅くん、 住んでるの…?」 そう。 麻美を俺の部屋の前まで連れてきた。 それなりに、麻美も解っているんだと思う。 言葉が少ない。 「そうだよ? 入って?」 鍵を開けて、ドアを開ける。 一歩… 麻美が入ったかと思うと、ジワリと後ずさり… 「ゴメン、毅くん、 やっぱり帰る。」 そう言って駆け出そうとする麻美の腕を掴んだ。 「どうして…?」 さっきまで、入るつもりだったのに。 少し考えて、 麻美は。 「ネコ…」 「ネコ?」 「ネコ、ダメなの… 怖くて… だから、部屋には入れない。」 「ミリかぁ… うん、わかった。 ちょっと待ってて。 絶対に待っててよ?」 部屋の前に麻美を残し、 部屋に入った。 ミリはたった1人の家族。 ミリもみなしごだった。 捨てられてたんだ。 だから一緒に暮らしてる。 だけど、 麻美が怖がるから… ちょっとずつ慣れてもらったらいいから。 「ゴメン、ミリ。 ちょっとここに入ってて?」 ペットキャリーに入れて、小窓から水のお椀とカリカリを少し入れてやった。 それからクローゼットの中に少し明かりが入るように明けてやって、 入れた。 「早く麻美が好きになってくれたらいいな。 俺の大事な人だから、 ミリとも友達になれると思うんだ。 ちょっとだからね…」 そう声を掛けて、 部屋から出た。 麻美は心配そうに立ってる。 よかった… 待っててくれて。
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