5 years later

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言いながら、ズーンと沈んでいく心。 ついさっき、仕事だからって気合いを入れたところなのに。 霧島を目の前にしたら、あいつの方へ行きたくて仕方なくて。 その要求を封じ込めるように視線を外してうつ向いていると、俺の頭部にぽんぽんと手が乗った。 「なら、時間まで中で待ってるから。案内して?席。」 バッと顔を上げると、俺の心中を見透かすように微笑むあいつ。 「けど……2時間も待ってたら、お前暇じゃん。一旦帰った方がいいんじゃねーの?」 ここにいて欲しいくせに、あいつの気持ちを確かめるようなことを、わざと言ってみたり……。 あー、俺。 マジで愛情が、不足してる。 限りなく女々しい自分にうんざりしながらも、あいつの返事を待っていると、俺の望む言葉が、そのまま耳に届いた。 「いいよ、ここで待ってる。おまえが働いてるとこ、見たいし。」 クシャクシャと前髪を弄られながら、そう言われて。 その触れられた部分から熱くなって、あいつの愛情を試そうとした自分に、ぎゅっと胸が縮む。 霧島の方が疲れてるハズなのに、俺が今どうしてほしいか……俺の願望全て汲んでくれるあいつの態度に、泣きそうになる。 ……ごめん、俺。 こんなんで……。 そう心の中で謝罪して、慌ててメニュー表を掴み取ると、足早にテーブル席へと案内した。
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