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「あー、えっと。こ、こちら……メニューに、なります。」
窓際のソファー席に案内して、ぎこちない動作であいつにメニュー表を差し出す。
「ふ……、なんで片言。」
俺のファミレス社員にあるまじき滑舌具合に、息を漏らして苦笑するあいつ。
「……っせーな!」
お前相手にこういう台詞言うのがハズいんだよ!!
他の客には聞こえないように小さく文句を溢していると、メニュー表を受け取った霧島がパラパラとページを捲り始める。
その様子を数秒眺めて、はっとひらめいてしまう俺。
そーじゃん!!
霧島が待ってる間にココで晩飯食っててもらったら、俺、帰ってから食事作らなくていいじゃん!!
自分の分は、適当にカップ麺で済ませりゃいいし。
したら、調理時間も食事時間もカットできて、例え俺の仕事が8時終わりでも、家帰ってから3時間は霧島と色々できちゃうわけで。
徐に思いついたナイスアイディアにテンションが上がりまくる。
普段客の動き見えてないって叱られてばっかだけど、こういうことに関しては都合よく気がつく。
だてに3ヶ月禁欲貫いてねぇ!!
舐めんな!23歳男子の欲求不満!!
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